これからの不動産売買仲介業の難しさ
不動産は、この世に一つとして同じ物件はなく、
それぞれ異なっており、奥が深い業界ですが、
不動産を取引をさせて頂く時に、築年がかなり
経過した物件ほど、現在の基準とは全く異なった
インフラ状況になっている事が多いのが現実です。
他人地を通過して水道管が引込されていたり、前面道路が
建築基準法上の道路に該当しない為、建替が出来ない
物件であったり、排水が変な位置にあったり、容積オーバー
していたり、土地・一戸建の取引をしていますと、ご売却を
実現するのに困難な物件にあたる事がよくございます。
又、地中に埋まっている配管については、売主様や近隣の
方がご存じない場合は、図面には出てきませんので、我々も
把握出来ませんので、地中埋設物が後から発見されてしまう
ケースもあります。
実際、複雑な物件ほど、お取引をさせて頂くのに調査や書類
作製が大変で、物件によっては取引不可能という事もございます。
このような物件は当然ですが、販売価格も安くしないと買主様が
見つかりません。
我々が頂戴する仲介手数料は、基本的には売買金額に応じての
金額になりますので、取引価格が高い程、頂戴できる金額も
高くなりますが、上記のような物件は販売価格を安くせざる
得ない為、お手間が大変な割に手数料は限定されてしまう、
矛盾があります。
今後、郊外の不動産は価格が下落していく事が予想されますので、
取引金額が低すぎる物件は、採算があわないので、不動産売買仲介
業者が取り扱いをしないケースが増えていく事が考えられます。
不動産業に従事されている方は、誰しもが思い当たるケースがある
と思いますが、この矛盾を解決できるいい方法がないかと時々
思う事がある今日この頃です。
大西 晋平