住宅ローンの金利上昇に思う事
コロナ禍によって、世界中で金融緩和がされた
事によって、日本でもインフレに直面して
おりますが、日本国債も価格の下落によって、
債権利回りの上昇が続いております。
金利上昇は我々のような不動産業界にとっては、
死活問題で、事業資金の借入とお客様が不動産を購入
される時に利用される住宅ローンの金利上昇に繋がって
いく事になります。
毎月、各金融機関様は1日に当月の住宅ローン商品の
貸出金利を公開されており、日頃よくお取引をさせて
頂いている金融機関様から、FAXでそのお知らせが入って
きていますが、特定の住宅ローンの商品によっては既に
上昇が始まっております。お気づきになられたでしょうか?
一般的に住宅ローンにおいては、
2年国債が変動金利、10年国債が固定金利の指標に
なりやすいといわれていますが、現在は10年国債の債権
利回りが上昇していますので、それにあわせて、固定金利型の
住宅ローンについては、貸出金利の上昇が既に始まって
いる気配があり、これから新規で借入されるお客様には
影響が出始めているところです。
しかし、気を付けなければならない事は、変動金利の状況です。
変動金利については、短期債の動向によりますので、今すぐ
ではないかも知れませんが、近年に上昇していく事が十分
考えられます。
変動金利が厄介なのは、これから借入される方もさること
ながら、現在、変動金利で借入されているお客様に影響が
出てしまう事です。当初の想定より高い金利で毎月の返済を
続けていかなければなりません。今までが史上ないくらいの
低金利で推移してきた日本でしたので、金利が安かった変動金利で
住宅ローンを借入されているお客様は沢山いらっしゃると思われ
ますので、金利上昇率によっては、返済難のケースが増えてくる
事が予想されます。特にボーナス返済時が苦しくなります。
いずれにしても、遅かれ早かれ、インフレ経済になりました
ので、住宅ローンの金利は上げざるを得ませんので、
これから不動産を購入されたい買主様にとっては、早く
買わないと更に金利が上がるので、早めに行動される方と
金利動向の様子を見ようをされる方と分かれてきそうな気がします。
不動産会社では、金利の動向はコントロールする事はできません。
できる事はお客様にとって魅力があると思って頂ける商品を生み
出し、お客様が購入されたいと思う物件を地道に作っていくしか
ありません。今まで恵まれていた不動産会社にとっては、これから
我慢の時期が続きそうです。
大西 晋平