今、私が感じる不動産市況について
久しぶりに不動産市況に関する話題を。
4月、新年度がスタートしたところですが、
これからしばらくの間は、地方都市における
不動産市況は厳しくなっていくのではないかと
勝手に思ってます。
気になる要素
①住宅ローンの金利状況
今後、住宅ローンに関する金利が上昇していくよう
であれば、買主様の物件購入意欲がそがれる事に
なります。今までは低金利が後押ししてくれてましたが、
ずっとこの低金利は続かないと感じます。
②工事価格の上昇が続く
新築工事、リフォーム工事、土地造成工事についても
工事原価が値上げの一途を辿っております。もう企業側で
それを吸収する事は難しい状況です。
特に住宅新築に関しては、材料費、人件費の高騰により、
価格上昇が止まりません。そして、一度値上がりしてしまうと、
今後、値下げされる事は考えられません。その価格が当たり前
の価格して定着する事になります。
建物価格の高騰は土地の販売にも当然、影響してきます。
③地方圏における中小零細企業の業績
日本には、いくらでも業績好調な会社はございますが、
地方圏では上場企業に勤めている方は少なく、地元の
中小零細企業にお勤めの方がほとんどです。
金融機関様と話をしていても、業種によっては地元企業では
経営がかなり苦しくなっている話もよく耳にしてます。
インフレの為、賃上げを実現したくても、なかなか
出来ない経営状況の会社が多いかも知れません。
インフレの分だけ賃上げが実現されていない地方圏では、
今の状況で不動産購入を実現されたい方が、しばらくの間
減少してしまう可能性があるという事です。
おそらく、不動産売却に関するご相談数は相続がらみで
今後も増えていくと思ってますが、不動産購入希望のお客様数は
逆に減少してしまう事が予想されます。
既にその兆候は、昨年末位から表面化している気がします。
本来、成約になるべき物件が売れていないという現実です。
また不動産会社様によっては、1年前はよく物件が動いて
ましたので、物件在庫を大量に仕入れされていましたが、
現在は、動きが鈍くなりつつありますので、在庫物件を
値下げ販売をされているケースが目に付きます。
今後しばらくの間は、買主様の方が強い不動産市況に
なっていく可能性が高いと感じております。
不動産は同じ物件でも、市場の状況で成約金額が変わって
きますので、ご売却をお考えの売主様は早くご売却される
事=高値成約に繋がるような気がします。
上記の内容は、あくまで私個人の考えですので、必ずしも
そうとはいえない事もあると思いますが、毎日この仕事と
向き合っていると買主様が減少している事をヒシヒシと
感じており、先行きはとても楽観視はできません。
不動産会社にとっては、これからしばらくは踏ん張り
どころです。
大西 晋平